つみたてNISAで投資できるファンド(投資信託)を7つ紹介します。
債券中心の固いローリスクファンドから、株式中心のハイリターンファンドの中から、良さそうなものを厳選しました。
暴落に直面している今こそ、続ける上でリスク許容度を見直したいところです。
ファンド紹介前にザックリとした基礎知識
これから紹介するファンドにバランスファンドが多いため、投資する上で超ザックリとした基礎知識を紹介します。
リターンのメインは株式
つみたてNISAの投資先は主に株式と債券が中心となりますが、リターンの主役は株式です。
債券は株価下落時の緩衝材として利用されるためあくまで補助的なものです。
利益を追求する方は株式100%でもOK。
株式と債券の関係
株式と債券はそれなりに反対の値動きをします。
株価が上がると債券が下がり、株価が下がると債券が上がります。
そのためバランスファンドは両者を混ぜることで株価の急落を弱めることができます。
ただし、株価の下落ほど債券は値上がりしないため、半々だとファンドの価格は結構下落します。
外国債券は為替の影響を受けやすい
本来債券の値動きは安定的ですが、外国債券は為替レートの変動で結構値動きがあります。
為替ヘッジ型は為替変動対策をしているため安定しますが、コストもかかり、リターンが減少します。
金融危機になると円高になる可能性が高いため、為替ヘッジをしていない外国債券はリスクを抑えるには不十分だと思われます。
ファンド価格の安定性を取るなら、日本国債や為替ヘッジをした外国債券を多めにしたファンドが良いと思います。
為替ヘッジ解説:外国資産への投資:為替ヘッジつける?つけない?(野村アセットマネジメント)
株式と債券各種を比較した1年チャート
以下の図は株式ファンド、債券各種のファンドの値動きを1年間比較したチャートです。
【黄緑】全世界株式、【青】日本国債、【茶】外国債券、【橙】外国債券(為替ヘッジ有り)

・【黄緑】全世界株式が上がるときには円安になり、下るときには円高になる傾向があるため、為替ヘッジのない【茶】外国債券は株価と値動きが似通ってしまっています。
・為替ヘッジのしている【橙】外国債券や【青】日本国債は、【黄緑】全世界株式が下落するタイミングで価格が上昇しているため、株価の下落による損失をある程度緩和してくれます。
債券多めの低リスクファンド
債券中心で値動きが少ないファンドを紹介します。
大きな含み損が許容できない場合はこれらのファンドが良いと思います。
■紹介ファンドの比較チャート(1年間)
・【茶】DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
・【青】楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)
・比較対象:【橙】楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)|株式50%:債券50%
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
債券重視のファンドです。
長い運用実績があるため、慎重派な方でも安心して投資できるのではないでしょうか。
債券が多いと値動きは安定しますが、その分リターンは少なめとなっています。
出典:DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) 目論見書 20191122
ファンド情報:DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)
債券70%:株式30%と、債券重視のファンドです。
全世界株式に30%、為替ヘッジをした高格付け債券に70%と、リスクを抑えています。
国際分散もされています(米国が約50%占めます)。
出典:楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型) 目論見書 20200116
ファンド情報:愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス債券重視型)
株式・債券を半々に投資するバランス型
株式と債券を半々に投資するバランスファンドです。
株式100%に比べると値動きは抑えられています。
■紹介ファンドの比較チャート(1年間)
・【茶】たわらノーロード バランス(標準型)|株式50%:債券50%
・【青】楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)|株式50%:債券50%
・比較対象:【橙】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)|株式100%
たわらノーロード バランス(標準型)
投資対象が複雑ですが、ザックリまとめると「株式35%、債券50%、リート15%」のバランスファンドです。
リートは不動産投資で、株式と同じようにハイリスク・ハイリターンな投資対象です。
まだ2年ちょっとの運用期間ですが、リターンがそれなりに高く、下落時も安定しているように感じています。
出典:たわらノーロード バランス(標準型) 目論見書 20200116
ファンド情報:たわらノーロード バランス(標準型)
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)
株式50%:債券50%と、均等型の名の通り半々に投資するバランスファンドです。
全世界株式に50%、信頼が高く為替ヘッジした債券に50%というバランス感が魅力です。
しっかり国際分散もされています(米国が約50%占めます)。
出典:楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型) 目論見書 20200116
ファンド情報:愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)
株式中心のリターン重視ファンド
株式70%~100%に投資するファンドです。
将来の期待リターン最優先ならこれらのファンドに投資することになりますが、
株式と債券が半々のバランスファンドと比べて上昇も下落も激しいものとなります。
■紹介ファンドの比較チャート(1年間)
・【橙】楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)|株式70%:債券30%
・【黄緑】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)|株式100%
・【茶】eMAXIS Slim 先進国株式インデックス|株式100%
・比較対象:【青】楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)|株式50%:債券50%
楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)
株式70%:債券30%と、株式を重視重視して投資するバランスファンドです。
全世界株式に70%、信頼が高く為替ヘッジした債券に30%と、リターンを重視した配分となっています。
しっかり国際分散もされています(米国が約50%占めます)。
出典:楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型) 目論見書 20200116
ファンド情報:愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス株式重視型)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
株式100%、全世界の株式に投資するインデックスファンドです。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」で第1位となった、大人気ファンドです。
しっかり国際分散もされています(米国が約55%占めます)。
リターン重視以外にこだわりがないならこれ1本でいいと思います。
ただし、株式100%なので上昇も下落も激しいです。
また日本は個別に投資する方向けに、日本を除いた「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」というファンドもあります。
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 目論見書 20200127
ファンド情報:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
株式100%、先進国株式に投資するインデックスファンドです。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」で第3位となった、大人気ファンドです。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」との違いは、日本や新興国(中国など)を投資対象から除外していることです。
2010年台は新興国のGDP成長率は高いが、株価の伸びは先進国の方が良いという結果も出ています。
「日本や中国は株式市場に次々と介入してきて不健全だ」と考える方はこちらが良いと思います。
ただし、株式100%なので上昇も下落も激しいです。
投資対象が競争が激しい指数(インデックス)のため、類似ファンドが多数存在します。
出典:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 目論見書 20200127
ファンド情報:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
投資信託の銘柄比較(3/18の価格)
2020年3月19日現在、ここ1ヶ月で株式やリートは大暴落していますが、こちらで紹介したファンドうち5つを比較してみました。
債券重視…【茶】DCニッセイワールド(債券重視型)/【黄緑】楽天・インデックス(債券重視型)
半々…【橙】楽天・インデックス(均等型)/【水色】たわらノーロード バランス(標準型)
株式重視…【青】楽天・インデックス(株式重視型)

株式の比率が高いほど大きく下がっていて、債券の比率が高いほど下落が抑えられています。
また、以下の画像は【橙】全世界株式100%、【青】全世界株式70%・ヘッジ債券30%、【茶】約半々の3ヶ月間チャートです。
株式100%だとえげつない下落をしていますが、為替ヘッジ債券が30%混ざっていると下落幅が結構抑えられています。

株式100%よりも債券を少し混ぜた方が良いのかなぁと考えさせられました。
あとがき
というわけで、低リスク~ハイリターンのファンドまで、つみたてNISAで良さそうだと思ったものを7つ紹介いたしました。
先進国株式(特に時代の中心にいる米国企業)の多いファンドほどハイリターンを期待できるはずなので、許容できる値動きからファンドを選んでみてください。
株式の割合が多くても日本株式の多いファンドは好みではありませんね。そのため除外しています。
「楽天・インデックス・バランス・ファンド」3種は現状あまり低コストではありませんが、
それでも掲載したのはファンドの投資対象のわかりやすさが魅力で、
資金が流入し続けて規模が大きくなれば実質コストが下がっていくことを期待して掲載しました。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は実質コストが1期と2期で大幅に減少したので同じことが起こるハズ。
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ちなみに私が実践中のつみたてNISAのポートフォリオはコチラ↓
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