パソコンの電源には80 PLUS認証という電力変換効率を基準とした規格があります。
電力変換効率が良いほど、同じパソコンの処理をしても消費する電気量が少なくなります。
安価な機種だと80 PLUS BRONZEを採用されることが多いですが、
「ちょっとお金を足して80 PLUS GOLDにした方が長期的に見るとお得」
…のはずというお話をします。
注意:記事の内容は机上の計算のため、実際には機種によって消費電力は異なるようです。
参考:80PLUSで消費電力はどう変化するのか? STANDARDからTITANIUMの電源でチェック! Text by 林 佑樹(ドスパラ)
様々な条件で電気代を比較してみよう
1日平均4時間ゲームをプレイした場合
ゲームを平均4時間プレイした場合の電気代を計算しました。ゲーム以外の電力消費は無視しています。
・1kWhあたりの電気代…25円 (いくつかの電気代を比較した中で決めた値)
・80 PLUS ゴールド電源を使用時、ゲーム中の消費電力…300W (GTX1070だとだいたいそれくらい)
・負荷率…50% (最も電力効率が良いとされる、電源容量の負荷率)
・ゲームプレイ中以外の電気代は考慮しないものとする (摩擦係数は0的な)
計算結果の表がこちら
80 PLUS | 電力効率 | 差 | 5年間の電気代 | GOLDとの差 | 10年間の電気代 | GOLDとの差 |
STANDARD | 80% | -10% | 60,225 | 5,475 | 120,450 | 10,950 |
BRONZE | 85% | -5% | 57,488 | 2,738 | 114,975 | 5,475 |
SILVER | 88% | -2% | 55,845 | 1,095 | 111,690 | 2,190 |
GOLD(基準) | 90% | 0% | 54,750 | 0 | 109,500 | 0 |
PLATINUM | 92% | 2% | 53,655 | -1,095 | 107,310 | -2,190 |
TITANIUM | 94% | 4% | 52,560 | -2,190 | 105,120 | -4,380 |
GOLD電源は5年~10年ほど保証がありますので、BRONZEとGOLDの比較は5年・10年でしてみました。
BRONZEとGOLDの5年間の電気代の差は約2700円となりました。
BRONZE電源は約6000円台、GOLD電源は7000円~9000円なので、モデルによっては電気代で元が取れる計算になります。
また、10年保証のGOLD電源は10000円以上しますが、10年間使用したときの電気代を考えれば電気代で元が取れる計算です。
アイドル状態で24時間つけっぱなしの場合
消費電力の少ない機種で、アイドル状態にて24時間365日つけっぱなしにしたと仮定した場合の電気代を計算しました。
・1kWhあたりの電気代…25円 (いくつかの電気代を比較した中で決めた値)
・80 PLUS ゴールド電源を使用時、アイドルの消費電力…30W (Ryzen Gがそれくらいらしい)
・負荷率…20%を計算に反映 (消費電力が30W、電源が600Wなら負荷率は5%)
計算結果の表がこちら
80 PLUS | 電力効率 | 電力効率差 | 5年間の電気代 | GOLDとの差 | 10年間の電気代 | GOLDとの差 |
STANDARD | 80% | -7% | 35,150 | 2,300 | 70,299 | 4,599 |
BRONZE | 82% | -5% | 34,493 | 1,643 | 68,985 | 3,285 |
SILVER | 85% | -2% | 33,507 | 657 | 67,014 | 1,314 |
GOLD | 87% | 0% | 32,850 | 0 | 65,700 | 0 |
PLATINUM | 90% | 3% | 31,865 | -986 | 63,729 | -1,971 |
TITANIUM | 92% | 5% | 31,208 | -1,643 | 62,415 | -3,285 |
24時間ゲームのときほどGOLDにうまみがないですが、一応GOLDの方がお得な感じです。
HEDT機をアイドル状態で24時間つけっぱなしにした電気代
Ryzen Threadripperのようなアイドルでも消費電力の激しいHEDT機を、アイドル状態で24時間つけっぱなしにしたと仮定した場合の電気代を計算しました。
・1kWhあたりの電気代…25円 (いくつかの電気代を比較した中で決めた値)
・80 PLUS ゴールド電源を使用時、アイドルの消費電力…120W (スリッパがそれくらいらしい)
・負荷率…20%を計算に反映 (消費電力が120W、電源が1000Wなら負荷率は12%)
計算結果の表がこちら
80 PLUS | 電力効率 | 差 | 5年間の電気代 | GOLDとの差 | 10年間の電気代 | GOLDとの差 |
STANDARD | 80% | -10% | 144,540 | 13,140 | 289,080 | 26,280 |
BRONZE | 85% | -5% | 137,970 | 6,570 | 275,940 | 13,140 |
SILVER | 88% | -2% | 134,028 | 2,628 | 268,056 | 5,256 |
GOLD | 90% | 0% | 131,400 | 0 | 262,800 | 0 |
PLATINUM | 92% | 2% | 128,772 | -2,628 | 257,544 | -5,256 |
TITANIUM | 94% | 4% | 126,144 | -5,256 | 252,288 | -10,512 |
消費電力が大きいのでGOLD電源の圧勝です。ただ1000W以上の電源機種はGOLD以上がほとんど。
PLATINUMやTITANIUM認証の電源価格はGOLDより1万円以上高いですが、使い方によっては選択肢に入ってくると思います。
まとめ
長時間使用する一般PC・消費電力の激しいゲーミングPCは、長い目で見れば80 PLUS GOLD電源の方が電気代でお得だと思います。
また、HEDT向けの消費電力が多い機種は更に上位のPLATINUMやTITANIUMを選ぶ余地があると思います。
1日数時間の軽作業なら安価な80 PLUS BRONZEで十分です。
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