たびたび独身税を提案されるが独身は既婚者より貧乏である

ネット住民の私は年に1回は「独身税を!」という意見を目にします。

子供が出来るとお金がかかるから税を徴収してその支援に当てろと。

 

ですが待ってほしい。独身はお金をあまり持っていません。

独身税が現実的でないという話をしようと思います。

 

 

独身者のお金事情

ここでは独身者の「貯蓄」「収支」「収入と婚姻率の関係」について述べたいと思います。

これを見れば独身者から税を取ろうというのがどれだけ無茶であるかわかっていただけるかと思います。

 

独身者は貯蓄が少ない

独身といえば昔から「独身貴族」などという言葉がありますが、これは一部を表す言葉であり全体でみるとそぐいません。

家計の金融行動に関する世論調査によれば二人以上の世帯と単身世帯では保有資産に大きな開きがあります。

 

調査内容単身世帯(独身)二人以上世帯
金融商品※1を全く保有していない世帯5.1%(5.4%)1.5%(2.5%)
金融商品※1の総保有額平均845万円(809万円)1,770 万円(1,420万円)
金融商品※1の総保有額中央値50万円(45万円)650万円(419万円)
家計の金融行動に関する世論調査(2020年)より引用

※1「金融資産」に「預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分」を加えたもの。

※2(括弧)は前年の数字

 

独身は金融商品をあまり持っておらず平均の保有額が少ないことがわかります。

金融商品とは貯金・株式・投資信託・貯蓄型保険などのことです。

この調査は年によってかなりブレがありますがそれでも単身世帯が二人以上の世帯を超えた年はありません。

 

ただしこの調査は単身世帯が20~60代と全体的に若く、特に20代が25%いるのに対し、

二人以上の世帯は年齢層が高く、退職金が上乗せされる60歳以上が40%以上と多いため、

貯蓄額に大きな開きが出てしまっているところもあると思います。

 

 

勤労世帯の収入と支出を見れば、単身世帯はより多くの税金を負担している

次に単身世帯と二人以上の世帯の収入・支出面を見ていきます。

家計調査(2020年)の「単身世帯」と「二人以上の世帯」の「勤労世帯」に限定したものを参考にしました。

 

調査対象世帯主
の年齢
実収入実支出消費支出非消費支出
(税金等)
非消費支出が
占める割合(※3)
単身世帯42.9歳359,437円239,163円168,965円70,198円29.35%
二人以上の世帯49.8歳609,535円416,707円305,811円110,896円26.61%
家計調査 家計収支編(2020年)より引用

※3 非消費支出が実支出を占める割合。実支出=消費支出+非消費支出(税金や社会保険料)

 

二人以上の世帯は共働きもあるので世帯での収入は多くなります。

実支出に占める非消費支出の割合は単身世帯の方が大きいです。

すなわち、既に独身者の方が多くの税金や社会保険料を負担していると言えると思います。

 

 

年収の低い男性ほど、高い女性ほど未婚になる

東京は高給女と低収入男の「未婚アリ地獄」だ(東洋経済ONLINE)」によると

年収と既婚率は大きな相関性があります。

 

男性の場合、年収が低い人ほど生涯未婚率が高く、高い人ほど婚姻率が高まります。

つまり独身男性は収入が低い可能性が高いです。

 

反対に女性の場合は年収が低い人ほど未婚率が低く、問題なく生活できる年収を稼げると生涯未婚率は横ばいになります。

女性の場合、経済的に自立出来てしまうと結婚しなくなるということですね。

とはいえ、女性の平均年収は男性よりだいぶ低いので人口の割合でみたら稼げている未婚女性とはあまりいないでしょう。

 

独身税を課したらどうなるか考えてみましょう。

未婚の男性は十分な収入を得ておらずお金がないから独身なのに、更に負担させることになます(鬼か!)。

未婚の女性は経済的に余裕がある方が多いので負担する余力がありそうですね。

(女性よ怒らないで。所得に余裕があるのは未婚の女性だと統計がそう言ってるだけなので。)

 

 

独身税は社会保険料の控除や税金の再分配という形で既に課されている!

私は税金や政策にはあまり詳しくありませんが、「控除」や「扶養」といった言葉を聞いたことはありませんか?

 

例えば、結婚していればパートナーの年収に応じて「配偶者控除」として所得税と住民税が減額されます。 

独身者は当然控除を受けることができません。

 

会社員の加入する「厚生年金」は、パートナーの年収が一定以下ならパートナーの自己負担なしで第3号被保険者に入れます。

厚生年金保険料1人分の保険料で2人が加入でき、将来2人分の年金が受け取れます。

一方、独身者は1人分の保険料で1人しか受け取ることができません。掛け金に対するリターンが低いということです。

 

その他既婚者(子供がいる場合)は、子供が出来れば産休・育休・祝い金、学校は高校まで無料など、税の再分配という形で恩恵を受けています。

そのための税金は既婚・未婚問わず支払っています。

しかし子供のいる既婚者には還元され、未婚者は恩恵を教授することはありません。

ただ、他人の子供とはいえ彼ら彼女らが大人になったとき、我々の年金の原資や社会の労働力として還元してくれるわけですから、それに不満はさほどありません。

ただもっと払えと言われると……。

 

 

要は繰り返しになりますが、独身のみをターゲットとした独身税など金銭的に無理があるし、

既に支払っているも同然であるということを述べたかったわけでした。

既婚者だけど子供がいないなら納税しなくていいのかという疑問もあるし、やはり変な意見だと思います。

やるなら独身者~高齢者まで全体から取って子育て中の家庭に再分配する、というこれまでのやり方が最善でしょう。

 

 

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