新興国投資といえば【VWO】が有名かと思います。
こちらは経費率が0.1%と非常に安いのが魅力ですが、いかんせんパフォーマンスが悪いです。
「中国」と「インド」が含まれていて、実績の良いETFを探していたところ見つけたのが
【GMF】SPDR® S&P® アジア・パシフィック 新興国株式ETF
です。
こちらはまずまずリターンがよく、中国とインドの割合もそれなりに高いため、将来性もあると思いました。
【GMF】ETFの紹介(2020年11月19日現在)
【GMF】は「SPDR® S&P® アジア・パシフィック 新興国株式ETF」との名前の通り、
アジア地域の新興国に投資するETFです。
主に中国、台湾、香港、インド、東南アジアが投資対象に含まれます。
韓国は含まれません。韓国は先進国だったり新興国だったりETFによって扱いが異なります。
総経費率0.49%、平均取引スプレッド0.19% とコストはやや高め。
組入銘柄数1,248社
米国市場で取引可能です。
※記事内のデータは2020年11月19日現在のものとなります。
国別組入比率
半分近くが中国、次に半導体の多い台湾、3番目にインドとなります。

組入銘柄・上位20カ国
組入銘柄の上位は中国のアリババ、テンセント中心に、インターネット企業が多く含まれます。
3番目には半導体製造で今後10年はトップを走るであろうTSMC(台湾)。
インドは新興国らしく金融業が成長しており、ソフトウェア開発が上位に入る点にもインドらしさを感じます。
銘柄 | 割合 | 国 | 業種 |
---|---|---|---|
Alibaba Group Holding Ltd. | 7.69% | 中国 | Eコマース |
Tencent Holdings Ltd. | 7.25% | 中国 | インターネットメディアサービス |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. | 5.88% | 台湾 | 半導体 |
Meituan | 2.62% | 中国 | Eコマース |
Reliance Industries Limited | 1.54% | インド | 石油 |
JD.com Inc. | 1.43% | 中国 | Eコマース |
China Construction Bank Corporation | 1.31% | 中国 | 銀行 |
HDFC Bank Limited | 1.28% | インド | 銀行 |
Housing Development Finance Corporation Limited | 1.09% | インド | 金融 |
Infosys Limited | 1.09% | インド | ソフトウェア |
Ping An Insurance Company of China Ltd. | 1.07% | 中国 | 保険 |
NIO Inc. | 0.89% | 中国 | 電気自動車 |
Pinduoduo Inc. | 0.87% | 中国 | Eコマース |
Industrial and Commercial Bank of China | 0.81% | 中国 | 銀行 |
MediaTek Inc | 0.73% | 台湾 | 半導体 |
Baidu Inc. | 0.72% | 中国 | インターネットメディアサービス |
Hon Hai Precision Industry Co. Ltd. | 0.72% | 台湾 | 電子工業 |
Xiaomi Corp. | 0.68% | 中国 | ハードウェア |
NetEase Inc. | 0.64% | 中国 | エンターテイメント |
Tata Consultancy Services Limited | 0.62% | インド | ソフトウェア |
トータルリターン・VWOとの比較(2020年10月31日)
それぞれのETFが公表しているトータルリターンは下記のとおりです。
2020年10月31日時点でのデータとなります。
トータルリターン・年平均 | GMF | VWO | VT(全世界) |
---|---|---|---|
過去10年間 | 5.56% | 2.10% | 8.07% |
過去5年間 | 10.52% | 7.46% | 8.35% |
年初来 | 11.33% | 0.03% | -1.16% |
新興国全体のVWOと比べてリターンがまともで、投資しても良いかなと思わせる数値を出しています。
また、アメリカや先進国を含んだ全世界株式ETFの【VT】と比べても近年は好調です。
話題の中国株ETF【CXSE】と比較
近年驚異的なリターンを叩き出していて注目されている中国株ETF
【CXSE】WisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Indexとの比較です。
【CXSE】の投資対象は中国のみで、国有企業(国の株式保有割合が20%未満)ではない企業に投資するETFとなります。
中国に投資するETFとしては経費率0.32%と少ないのも特徴です。
組入上位20銘柄を比較
概ね【CXSE】に組み入れられている銘柄は【GMF】にも含まれています。
しかし【CXSE】では高い割合の銘柄が【GMF】には僅かしか含まれないという銘柄がちらほらあります。
そのため「【GMF】は【CXSE】の投資国拡張版」とは言えないと思います。

※同じ企業で違う市場に上場しているものは合算しています。
※同じ企業名でもティッカーが一致しないものがあり、手作業で修正したため、なにか誤解しているかもしれません。
【GMF】と【CXSE】のトータルリターンの比較
トータルリターンの比較は下記のとおりです。
中国の割合が50%しかない【GMF】と比べて高いリターンを叩き出しています。
トータルリターン・年平均 | GMF | CXSE | QQQ(米国NASDAQ100) |
---|---|---|---|
年初来 | 19.71% | 52.94% | 37.30% |
過去3年間 | 7.47% | 13.89% | 24.56% |
過去5年間 | 12.08% | 21.63% | 21.53% |
経費率 | 0.49% | 0.32% | 0.20% |
予想PER | 17.49 | 23.85 | 29.15 |
※CXSEの公式データが見つからなかったため、情報源を統一するためいずれもBloombergより引用。
※予想PERは各ETFの商品ページより引用
【CXSE】は2020年に一気に伸びたため非常に高いリターンを出しています。
参考までに非常に高いリターンを出し続けている【QQQ】と比較しても、過去5年間では上回ってしまいます。
私の意見
米国株だけじゃこの先心配ということで、
今月から中国がインドが含まれる【GMF】をちょこちょこ買い向かっています。
【GMF】予想PER17.49倍、【CXSE】予想PER23.85倍とのことなので、
これから買いに向かうなら【GMF】の方が割高感が少ないかもしれません。
東南アジアの株価指数は2018年年初のピークをまだ下回っていますが、
台湾、インドの株価指数は過去最高を更新したりと中々アツい環境です。
インド株式投資での注意点
インドの株価と為替 | 指数(SENSEX30) | 為替(ルピー/円) |
---|---|---|
2010/1/1 | 16357.96 | 1.9575 |
2020/11/21 | 43882.25 | 1.4013 |
リターン(現地通貨建て) | 168.26% | -28.41% |
リターン(円換算) | 92.04% |
インド株式指数(SENSEX30)の過去10年間のリターンは168.26%と非常に高いです。
これだけだと非常に魅力的なのですが、注意したいのが為替レート。
10年間で約30%円に対して価値を切り下げています。
そのため円換算した株式のリターンは92%となります。
それでも投資する価値はまずまずあると思います。
このように、為替によって円換算のリターンが押し下げられるのは現地のインフレにあります。
インドの政策金利は4~8%と日本と比べてとても高金利なのですが、
高金利はインフレが原因なので、通貨の価値をどんどん毀損していきます。
そのため、成長できる国の株式への投資は報われる可能性がありますが、
通貨への投資(スワップ狙いのFX)は損する可能性が高いと思います。
高金利通貨への投資はやめておいた方が無難でしょう。
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