iシェアーズには米ドル建ての社債に投資するETF【LQD】【USIG】【1496】があります。
社債ETFは国債ETFより高配当なのが魅力です。
以前からこれらはどんなETFなのか気になっていたので調査しました。
今まで誤解していいましたが、投資対象は「米ドル建ての社債」であって「米国の社債とは限らない」ようです。
iシェアーズ 社債ETFチェック
【1496】iシェアーズ 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)(2019/12/31)
米ドル建ての社債を発行する様々な国の企業に投資しているETFです。
格付にて投資適格とされる「BBB」以上の債券が投資対象となります。
東証に上場しているETFで、為替ヘッジ付きのためか経費率がやや高めです。
また後述の【LQD】はほぼ毎月分配金を出していますが、こちらの分配金は年4回のようです。
ファンド概要
iシェアーズ 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)は、Markit iBoxx 米ドル建てリキッド投資適格指数(TTM円ヘッジ付き)の動きに高位に連動する投資成果を目指します。
■株価・分配金等(2020年1月24日)
株価(円) | 2,540 |
過去4回の分配金 | 72.00 |
過去1年の分配利回り | 2.83% |
経費率 | 0.28% |
組入銘柄数 | 2024 |
unique関数で絞り込み(※) | 334 |
投資地域 | 16 |
(※)ティッカーで絞り込んでいますので、おそらく投資対象企業数は現在334社です。
■投資地域(2020年1月23日)
投資国名 | 銘柄数 |
米国 | 1681 |
イギリス | 105 |
カナダ | 61 |
日本 | 41 |
オランダ | 37 |
オーストラリア | 20 |
フランス | 17 |
スペイン | 17 |
スイス | 12 |
ベルギー | 9 |
その他 | 24 |
出典:iシェアーズ 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり) – ブラックロック・ジャパン株式会社
真新しいETFのためリターンのデータがありません。
【LQD】iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF(2019/12/31)
米ドル建ての社債を発行する様々な国の企業に投資しているETFです。
格付にて投資適格とされる「BBB」以上の債券が投資対象となります。
分配金は年12回配られます。毎月ではなく同じ月に2回配られることがあります。
投資地域や銘柄数は【1496】と同じです。
ファンド概要
iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETFは、米ドル建ての投資適格社債で構成される指数と同等水準の投資成果を目指しています。
■株価・分配金等(2020年1月24日)
株価(USD) | 130.07 |
過去12回の分配金 | 4.21 |
過去12回の分配利回り | 3.23% |
経費率 | 0.15% |
組入銘柄数 | 2024 |
unique関数で絞り込み(※) | 514 |
投資地域 | 16 |
(※)unique関数で同一銘柄を排除しても同じような名前がずらずら並んでいるので、絞りきれていません。
■投資地域(2020年1月23日)
投資国名 | 銘柄数 |
米国 | 1681 |
イギリス | 105 |
カナダ | 61 |
日本 | 41 |
オランダ | 37 |
オーストラリア | 20 |
スペイン | 17 |
フランス | 17 |
スイス | 12 |
ベルギー | 9 |
その他 | 24 |
出典:iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF – ブラックロック・ジャパン株式会社
【USIG】iシェアーズ ブロード米ドル建て投資適格社債 ETF
米ドル建ての社債を発行する様々な国の企業に投資しているETFです。
格付にて投資適格とされる「BBB」以上の債券が投資対象となります。
分配金は年12回配られます。毎月ではなく同じ月に2回配られることがあります。
組入銘柄数が非常に多く、世界各地に分散投資されています。
分配利回りが低く経費率も最安ですが、この中ではリターンが一番低いです。
ファンド概要
iシェアーズ ブロード米ドル建て投資適格社債 ETFは、米ドル建て投資適格社債で構成される指数と同等水準の投資成果を目指しています。
■株価・分配金等(2020年1月24日)
株価(USD) | 59.17 |
過去12回の分配金 | 1.96 |
過去12回の分配利回り | 3.32% |
経費率 | 0.06% |
組入銘柄数 | 6284 |
unique関数で絞り込み(※) | 1683 |
投資地域 | 45 |
(※)unique関数で同一銘柄を排除しても同じような名前がずらずら並んでいますので、絞りきれていません。
■投資地域(2020年1月23日)
投資地域 | 銘柄数 |
米国 | 4923 |
イギリス | 229 |
カナダ | 198 |
日本 | 112 |
フランス | 93 |
オーストラリア | 80 |
ドイツ | 77 |
オランダ | 73 |
中国 | 69 |
スイス | 61 |
その他 | 369 |
出典:iシェアーズ ブロード米ドル建て投資適格社債 ETF – ブラックロック・ジャパン株式会社
【1496】【LQD】【USIG】を比較
【1496】
株価(円) | 2,540 |
過去4回の分配金 | 72.00 |
分配利回り | 2.83% |
経費率 | 0.28% |
組入銘柄数 | 2024 |
unique関数同一銘柄を排除後 | 334 |
投資地域 | 16 |
【LQD】
株価(USD) | 130.07 |
過去12回の分配金 | 4.21 |
分配利回り | 3.23% |
経費率 | 0.15% |
組入銘柄数 | 2024 |
unique関数同一銘柄を排除後 | 514 |
投資地域 | 16 |
【USIG】
株価(USD) | 59.17 |
過去12回の分配金 | 1.96 |
分配利回り | 3.32% |
経費率 | 0.06% |
組入銘柄数 | 6284 |
unique関数同一銘柄を排除後 | 1683 |
投資地域 | 45 |
【1496】と【LQD】は投資対象は同じですが、【1496】の分配利回りは0.3%低くなっています。
これは外国株式ETFの二重課税で10%余計に課税されているの影響でしょうか?
0.3%は約9%なので数値的には近いです。
今年2020年から「投資信託等の二重課税調整制度開始のご案内(JSDA)」が始まります。
これはETFが受け取る配当金が外国で徴税された分、国内で取られる税金が減額されるというものです。
JPXの「投資信託等の二重課税調整制度の対象となる可能性の高いETF・REIT」にも記載されていますので、
今年から【1496】にかかる税金は減ってるのでしょうか?
もしかわるなら、徴税後の分配利回りは同程度になりそうですね。
【1496】分配金 2.83% … 旧配当課税(20%) 2.26% → 新配当課税(10%) 2.55%
【LQD】分配金 3.23% … 米国徴税(10%) 2.91% 後 配当課税(20%) 2.33% 又は 外国税額控除(10%) 2.62%
社債のデフォルトリスク
このように社債ETFを調べると「BBB」の発行体が非常に多いということがわかりました。
ムーディーズの「日本の発行体におけるデフォルト率と格付遷移 1990 – 2018 年」によると、
「BBB」と格付された海外の企業でも、10年後には約3%がデフォルトするそうです。
投資適格と格付が高い企業でも意外とデフォルトはおこりうるということですね。
1年間のデフォルト率は平均0.3%(?)だとしたら、投資対象の企業がデフォルトするたびに
ETFの資産も0.3%減少するということになるのでしょうか?(よくわかってない)
ただETFの利回りは3%前後ありますから損失よりリターンの方が大きそうです。
あと、社債がデフォルトになっても全額損失となるわけではなく資産の一部は回収されます。
ムーディーズの 「社債・ローンのデフォルト率と回収率 1920-2010 年」の「図表 9:最終的な回収額に基づく企業債務の平均回収率」によると、
デフォルト社債の回収率は「約40%~60%」あるそうなので、無担保債でも結構戻ってくるようです。
小難しい話の参考リンク
この記事に出てきたよくわからない言葉は以下のサイトが参考になるかと思います。
・社債ってなに? → 社債とは – PIMCO
・格付ってなに? → 債券の「格付け」について教えてください – JSDA 日本証券業協会
・外国株式配当金の二重課税ってなんのこと? → 外国上場株式:株式の税金 – 大和証券
・外国株式ETFの二重課税解消 → 税制改正で一部の投資信託分配金の手取り額が増えます – マネックス証券
情報の正確性は保証できません。一個人の考察程度に留めてください。
コメント