2020/11/9、日経平均が29年ぶりの高値に到達したとのニュースがありました。
それはめでたいのですが、日本を取り巻く環境でこれはとても異常だと思いました。
といいますのも、日経平均PERはおおよそ14~16倍の間で推移しています。
それが現在は23倍。状況として平常ではありません。
また足元では円高が進んでいます。
円高が進むと日経平均の収益は落ちやすいので、ますますPERは上がります。
また、日本政府は国民への減税は絶対しない、給付金も貯金するから嫌だという方針です。
日経平均にはアメリカの様にコロナで収益が伸びた企業(GAFAMやハイテク)が多いわけでもなく、
大規模経済政策が期待されるわけでもないのに、株価だけ上がっています。
この状況でコロナ前の水準まで収益が伸びる公算は小さいと思いますからどうなんでしょうね。
8年前に日経平均PERが23倍になったときの推移
以前PERが跳ね上がったのは8年前の2012年2~4月頃です。
日経平均が8300円から1万円超まで一気に上がり、日経平均PERが15倍→23倍にまで跳ね上がりました。

その後、1年間かけて収益(EPS)が1.51倍に伸びたため、
株価が同水準でも日経平均PERは15.5倍へと落ち着きました。
金融緩和の拡大と円高の助けもあって、利益が伸びやすかったのだと思います。
日時 | 日経平均PER | 日経平均株価 | EPS(逆算) | ドル円 |
---|---|---|---|---|
2012/1/4 | 15.1 | 8,560.11 | 568.78 | 76.70 |
2012/4/24 | 23.3 | 13,843.46 | 594.40 | 81.31 |
2013/7/1 | 15.5 | 13,852.50 | 896.02 | 99.66 |
その後の日経平均PERは15倍前後を推移ししながら、
株価が上昇していることが画像からも見て取れると思います。
収益の上昇が株価の正当化には必要不可欠です。
コロナ禍での日経平均の推移
次の画像は、2020年1月末~11月6日までの月末の「日経平均株価」「日経平均PER」「収益(EPS)」をまとめたグラフです。
※参考に、過去の日経平均PERが高水準だったときのグラフも含んでいます。

EPSは2020年1月から右肩下がりです。
4~5月の緊急事態宣言があったため仕方ないのもあります。
ただ、9月を底に反発し始めてはいるものの、回復ペースは非常に緩やかです。
現在の株価を正当化するにはEPSが1500円必要
PERが16倍とした場合、日経平均24000円を正当化するにはEPSが1500円は必要です。
現在のEPSは1041円ですから1.5倍にならなければなりません。
コロナ直前が1600円なので、ほぼ元通りになる必要があります。
日経平均PER | 日経平均株価 | EPS | 補足 |
---|---|---|---|
16 | 17,600 | 1,100 | このままEPSが回復して1100とした場合の株価 |
16 | 20,800 | 1,300 | 日経平均約2万円に必要なEPS |
16 | 24,000 | 1,500 | 現在の株価水準に必要なEPS |
16 | 25,600 | 1,600 | コロナ直前のEPSを元にした日経平均株価 |
こうしてみると、コロナさえなければ日経平均株価25,000円はとうに超えていて、
26,000円も突入していたかもしれませんね。
株価が下がるのかというと、下がる気がしない…
ではこの後株価が下がるのかというと、下がる気が全くしません。
根拠のない雰囲気ですけど。
むしろインバース系のETFの信用買い残が多いので、もう1段階踏み上げられるのではないかという感じがします。
これまでも日経はバブルだバブルだと言われ続けてきましたが、
本物のバブル相場がやってきたのかも?
まぁ、バブルだと思うなら日本株は買わなきゃいいんですよね。
私の目は米国株に向いています。
あちらはこれから大規模経済政策が期待できますし、ガチホし続ければ上がるのでイージーです。
円高なので円換算だと利益が減ってますけど、それ以上に上がっていますから。
11月からコロナの新規感染者数が前週比でおよそ1.5倍に激増していますから、
企業ではなく国民の生活に直結する経済政策をうってほしいものです。
それが巡って株価につながるハズ。
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