本日、東海東京証券からお手紙が届きました。
「ニッコウ・マネー・マーケットファンド オーストラリア・ドル・ポートフォリオ」
買付停止および定時買付契約解除に関するお知らせ
内容は
「豪ドル建て債券の利回りが低下していて、このままではリターンが経費を下回るので、繰上償還も検討している」
という話です。
この手紙を見る前に「オーストラリアでも量的緩和を実施している」という話を聞いていたので
納得しました。
豪ドルMMFが償還される理由を考察
なぜこうなったのかニュースを探してみますと
「豪中銀、0.10%に利下げ・量的緩和拡大 3年は利上げ予想せず(2020/11/3 ロイター)」
といった先月から量的緩和を拡大させていたことを知りました。
国債利回りを調べてみますと、1年国債が0.037%、2年が0.103%とのこと(2020/12/1現在)
参考:オーストラリア国債(Invesitng)
外貨MMFの目論見書には、運用する債券は
ⅰ.発行時における法定満期が397日以下であること。
ⅱ.残存期間が397日以下であること。
引用元:ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 交付目論見書
と記載されていますから、1年前後のオーストラリア国債では利回りがありません。
またファンドの管理報酬等は「年率0.91%(上限)」ですがあくまで上限で、
2020年11月に購入停止が発表される前の2020年10月に0.1%を下回りましたので、
豪ドルMMFはおよそ0.1%あれば運用可能なのだと推測します。
ニュージーランドドル建てMMFも厳しい!【2020/12/7追記】
ニュージーランド国債1年利周り0.23%台で、日興NZドルMMF利回りは0.104%(12/7現在)
NZドルMMFも、国債利回りがもう0.1%下がると同じ道をたどるかもしれません。
>ニュージーランド 1年債券利回り(Investing)
過去にあった外貨MMFの償還事例
過去にも外貨MMFが償還された事例があります。
2020年4月~5月に行われたカナダドルMMFの償還時には、
各証券会社とも買付停止から1ヶ月後に解約代金が支払われたようです。
2012年にはユーロ建てのMMFも償還されました。
金融緩和の続くアメリカ・ドルは大丈夫
アメリカでも金融緩和が続けられており、国債利回りはとても低いです。
米国債利回り 1ヶ月 0.081% 1年国債 0.107%(2020/12/1現在)
参考:アメリカ国債(Invesitng)
ただ、米国債1年のチャートと米ドルMMFの利回りを見比べると
利回りが0.01%程度しか変わらないため、
非常に少ない費用で運用できているのかと思われます。
参考:日興イージトレード 米ドルMMF利回り、ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド
米国債1年の利回りが低下すると、1ヶ月遅れで米ドルMMFの利回りも低下しているようです。
国債よりも利回りの高い公社債もありますし償還の心配はないでしょう。
参考程度に、大和証券の外債にある残り1.5年の米ドル建て社債は利回り0.618%みたいです。
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