2月後半からアメリカの長期金利(10年国債利回り)が急上昇しています。
考えられる理由としてはワクチン接種が開始して実体経済が良くなるというのもあるでしょうが、
もっと直接的に影響しているのはアメリカのCPI(インフレ率)だと思います。
アメリカのCPIは2020年は、コロナショック後前年比で+1%を下回っていました。
ところが2020年12月には+1.4%に達し、2月には1.7%まで急上昇しました。
たまたま2月が高かっただけという可能性もあるでしょうが、目先の物価上昇は決して弱くないということです。
ですから低い利回り(低金利)で国債が買われるということは考えにくいです。
国債はフィクストインカム(fixed income)と呼ばれ、購入した瞬間に未来のリターンがほぼ決まります。
ですから低い利回りの10年国債を買うということは、今後10年間得られるリターンが低いままということです。
10年間もあったらその間にインフレ率は2%を超えるでしょうから長期国債を持っているだけ損です。
だからどんどん売られて利回り(金利)が上昇していったのでしょう。
(国債が売られて安くなると利回りが上がります)
アメリカを始めとした先進国の目標インフレ率は2%です。
そして先進国な中でアメリカだけは2017~19年の間2%前後で推移していました。
(他国は遥かに低い)
アメリカにとってインフレ率2%というのは実現可能な水準ですから、10年国債の利回りも2%あたりまでは上がると思います。
その先は実体経済が回復していったら、って感じでしょうね。
「国債を買いたい人がいないから価格が下がり利回りが上る」
シンプルだけどそんなに間違ってないハズ。
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