米国株式投資は「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」を中心に据えています。
それは過去のリターンがそれなりに優れている実績があるからです。
『「VYM」はS&P500からGAFAMを除いた「S&P495」よりリターンが上回るのではないか?』
『「VYM」を中心に据えてQQQ等の今トレンドのETFを組み合わせたらどうか?』
という考えを述べたいと思います。
S&P500とVYM、S&P495の比較
まずはS&P500とVYMの過去のリターンを比較する
「高配当ETFは成長性が低くリターンが悪い」という見方をする方は少なくないと思います。
実際、S&P500指数に連動するETF「VOO」と過去5年間のトータル・リターン(配当金込み)を比較してみると、2倍近く差がついています。
5年で43%もリターンに差がつくとはかなり大きいですね…。
しかし、2010~2020年の10年間で見るとずっと差があったわけではありません。
◆次の画像は「VOO」と「VYM」の値動きを比較したチャートです。
※先の比較とは異なり配当金は含まれていません。

緑色の線は2017年年始を指しています。
この2つのETF、2010~2017年の年始まではほとんど値動きが同じでした。
値動きが同じなら、配当利回りで勝る「VYM」の方がここまではトータルリターンが高かったはずです。
ところが2017年から急激にS&P500が伸びて差が広がりはじめました。
この現象を表すデータは持ち合わせていませんが、おそらくGAFAMの影響でしょう。
GAFAMを除いたS&P495とVYM
ITmediaビジネスオンラインの記事「S&P495で分かる ブーム化する「米国株投資」に隠れた”歪み”」
に掲載されているチャートを見ると、2016年から急激にGAFAMの株価上昇が始まっています。
(それ以前も伸びが高いですが)
※チャートはなぜか+100から始まっていますが、2010年を100%としてグラフを作りたかったのだと思われます。
ITmediaの記事は、前篇は「S&P500からGAFAMを除けばTOPIXと変わらないよね」、
後編は「指数は特定銘柄に引っ張られやすい」という趣旨のものです。
GAFAMを除いたS&P495でも約20%ほどTOPIXを上回っているので「TOPIXと変わらない」という部分は納得しかねる。
で、ここで見ていただきたいのは「S&P495」の10年間のキャピタルリターン(約120%)よりも、
「VYM」のキャピタルリターン(約140%)の方が高いという部分です。
つまり、S&P500から一部の超高成長銘柄を除けば、
「VYM」の方がキャピタルリターン、そしておそらくインカムリターンも高いと予想できます。
そして私は考えました。
S&P495よりリターンが優れた「VYM」に、ハイテク企業の集まる「QQQ」や「IXN」を組み合わせたらS&P500を超えられるのではないか、と─。
─が、残念ながらその答えにはまだたどり着けていません。
バックテストするにも能力不足で。
VYMとQQQを組み合わせたなんちゃって「S&P500」
「VYMとQQQ」を50%ずつ組み合わせてみると、結構VOOと近い構成になります。
銘柄数も、「VYM」424銘柄と「QQQ」103銘柄を合わせると507銘柄になり、まさになんちゃってS&P500になります。
◆次の画像は「VOO(S&P500)」に組み込まれたうちの上位15銘柄を「VYM+QQQ」と比較したものです。
「VYMとQQQ」を50%ずつ組み合わせることで、GAFAMの割合はほぼ同じになっています。

VOOと比較して、[JNJ]ジョンソン・エンド・ジョンソンや[PG]プロクターアンドギャンブルといった
お馴染みの配当銘柄の割合が増加しています。
◆次の画像は「VYM+QQQ」に組み込まれたうちの上位15銘柄を「VOO(S&P500)」と比較したものです。
VYMに含まれる高配当銘柄の[INTC][CMCSA][PEP][PG]などの割合が高まり、
QQQに含まれるGAFAM以外のハイテク銘柄[INTC]や[NVDA]が上位に食い込んできています。
そして、S&P500に採用されなかった超乱高下銘柄「[TSLA]テスラ」も上位銘柄に含まれています。

[INTC]インテルは割安で放置されているので、ハイテクとはいえ高配当銘柄枠なんですよね。
我らのAMDは0.24%が含まれています。
とはいえ結局の所、アップル、マイクロソフト、アマゾンの割合が非常に高いので、
これらの3銘柄に引っ張られやすいことには変わりません。
ただ、VYMとQQQの割合を調整して6:4や7:3にすればアップル、マイクロソフト、アマゾンの銘柄の割合は下がっていき、
JNJやPGといった安定感のある高配当銘柄がそれらと近い割合になります。

VYMをベースにしてトレンドのETFを組み合わせる
つまるところ、何が言いたいのか?
これまで挙げてきた内容については、
VYMのリターンがS&P495より優れていて、今後も優れているだろう
という仮定の上で行っているものです。
そして、VYMに時代の成長株ETF(今回はQQQ)を組み合わせることで、
S&P500より高いリターンを目指したり、VYM単体よりリターンを高めることができないか
というものです。
難点としては、QQQの一株あたりの価格が高くてバランス調整がしづらいことですね。
QQQが現在1株あたり275ドルもします。ETFって株式分割しないんですかね?
VYMは81ドルなので比較的買いやすいですが、やはり細かい調節はしにくい感じ。
というわけで、米国株投資もやってみたかったので「VYM」をベースにして、
「PBD」といったクリーンエネルギーETFをつまんでいます。
(ここで突然現れるクリーンエネルギー)
【2020/10/5追記】QQQとVYMを合成したリターン
「PORTFOLIO VISUALIZER」というサイトでQQQとVYMを合成したリターンを調査することができました。

予想通り、過去の実績ではQQQ30%&VYM70%の組み合わせにすると、S&P500を上回るリターンを得ることができます。
「IXN」「PBD」ETFの特徴
「IXN」は世界のテクノロジー株に投資するETFです。
QQQと似ているようで構成銘柄の半数は異なっています。
Amazon、Facebook、Googleは含まれず、
VISAやマスターカード、台湾のTSMC、韓国のSamsungが含まれています。
TSMCはAppleのCPU、AMDのCPUやビデオカードを製造しているメーカーで有名ですね。
Samsungはスマートフォンの他、パソコンやスマホのメモリーやSSDといった半導体に非常に強い会社です。NVIDIAの最新ビデオカードRTX30世代の製造もしています。
「PBD」は世界のクリーンエネルギー株に投資するETFです。
2001年からある割に10年以上ろくにリターンを産まず、
2019年頃から急激に上がり始めた長年不遇のETFです。
しかし、2020年の年初来リターンはQQQよりも高く、今一番アツいかもしれないETFです。
アメリカの次期大統領候補バイデン氏がクリーンエネルギーを推進するそうなので、その期待で押し上げられてそうです。
バイデン氏、2兆ドルのクリーンエネルギー投資計画を発表(2020年7月15日|Bloomberg)
今後の予定
米国の株価が9月に入ってダラダラと下落していたので、2020/9/23に持っていなかったQQQ・PBDを打診買いしました。
IXNは時期をずらそうかなと思っています。他にも色々買ったので。
繰り返しになりますが、VYMをベースに今トレンドにあるものを組み合わせていけたらなと思いました!
投資は、ジコセキニンデース。エヘヘヘヘ。
コメント